JKSK) JKSKでは、毎年テーマを決めて、その分野における先進企業のトップにインタビューをさせていただきウェブサイト上でご紹介すると共に、冊子化をはかり、広くご関心のある方々にご活用していただいております。2005年は「女性の活力を社会・組織の活力に」、2006年は「ダイバーシティの推進をしている先進企業」を、また、2007年はワークライフバランス推進の先進企業のトップにインタビューをお受けいただきました。残念ながら、ワークライフバランスに先進的に取り組んでいる日本企業はまだ少なく、みな外資系なのですが。例えばBT(ブリティッシュ・テレコム)、ファイザー社、アクセンチュアのインタヴューをいたしました。日本人のトップではありませんが、唯一の日本企業としてイースクエアにご登場いただくことになりました。
ピーダーセン) そうなんですか(笑)。
JKSK) そういうポジショニングにあるということで、思う存分、日本人への、日本社会へのメッセージという意味も含めて語っていただけますでしょうか。
ピーダーセン) わかりました(笑)。イースクエアは比較的新しい会社で、2000年に設立された環境コンサルティング会社で、今現在25名のメンバーがいます。男性が11人で女性が14人です。男性はこれでもだいぶ増えてきました。
元々私がデンマーク生まれというのもあるのでしょうけれど、働く場において男性と女性で差別をするというか、違いをつけるという発想すらもったことがないんですよ(笑)。ただ一つだけどうしても差があるのは、男には子供は産めないという、これだけはどうにもなりません。出産のときとか赤ちゃんの小さいときは、それはポジティブな意味での差が出てきますけどね。それ以外には差はありません。それに、最近は日本人男性も子供の面倒を見る時代になってきました。
あとは採用するときに、あるポジションにここに男性が欲しいとか女性がとか考えたことは一度もないし、誰が昇進するということも誰が取締役になるということも誰がマネージャーになるということも、年齢とか性別ということは一切関係ないです。今は役員の中にももちろん女性はいますし、組織をあまりピラミッド型にもしたくないので3つに分けています。ディレクターとマネージャーとアソシエイトの3つです。その他、肩書きではないんですが、実務リーダーと言って、あるフィールドを担当する人がいて、それは今4人いますが3人が女性で一人は男性です。ですから全くまず関係ない。
それから採用面接をするときも性別が基準になることは全くありません。むしろ普通の採用面接をすると女性のほうが優秀です(笑)。問題意識を持って挑むということと、私はこういうことをやりたいという自分なりの将来ビジョンを持っているのは大体女性のほうが上です。だから大体採用面接をして、いろんな人に聞くと、女性が採用されるのが結果的に多いですね。
男性もいい人はいますけど、これは変わったルートで来たりしています。元々別の会社の社長をしていて50歳ぐらいになって、内容のある仕事をしたいから社長を辞めて転職して来たとか、大学卒業したばかりで若いので採用できないからと言っても、私を無給で働かせて試してくださいと言って2ヶ月間無給で働いたりとか、男性の採用のルートは特別な場合が多いという感じがしています。
採用面接の人数も、3対1ぐらいの割合で女性のほうが多いですね。これはこういう種類の仕事だということもあるでしょうが、環境やCSRについて女性は相当関心が高いですね。
◆ 女性は“自分がどういう存在であるか”ということから仕事を選ぶ
JKSK)「やはり女性のほうがCSRとか環境問題には関心が高いから」とサラッとおっしゃいましたが、それはなぜですか?
ピーダーセン) 恐らくお金を稼ぐということだけじゃないという、売上を何億円にすればとか何百億円にすれば満足だとか、そうじゃない仕事を求めているというのはあるでしょうね。
JKSK) ということは仕事をするというのは稼ぎじゃないと。
ピーダーセン) もう一つの価値があるという、
JKSK) 仕事そのものが意味のある仕事をしたいというのが女性ですよね。社会貢献とか何とかという前に。
ピーダーセン) そうですね。カーレン・ブリクセンというデンマークの女性作家がいます。「Out of Africa」という有名な映画の原作者なのですが、その本を昨晩読んでいたのですが、面白いんです。英語で言うと、「Men, define themselves by what they do. Women, define themselves by what they are.」。つまり男はやることに自分の意味みたいなものを見出すのだけれども、女性はwhat they areと、自分がどういう存在なのかということに意味を見出すという、これは面白い。
JKSK) 面白いですね。
ピーダーセン) これは随分前の話ですよ、70年ぐらい前の話ですけれど、やっぱりすごく面白いなあと思ってね。男は仕事で自分を定義しようとするし、女は自分をどういう存在なのかって。やっぱりもっと、仕事だけじゃない形でも自分のアイデンティティを作ろうとしているんじゃないかなという気がしますね。
JKSK) そこで職を選ぶ場合にもそういうことが。
ピーダーセン) どういう性質の会社に自分が身を置くかということが、もしかしたら男よりも重視するのではないかと思います。そこにはやはり自己実現とか、そういった自分の将来のビジョンやアイデンティティをしっかり持ち、その整合性を非常に重視するということがあると思うんですね。その存在としてと、仕事で日々やっていることと。
JKSK) 持つ人と、持たない人もいるけれど、持ちたいと。そこを明確にしたいということがありますね。
ピーダーセン) ええ、そうなんですね。そういうことがベースとしてあってですね。それで我々も若い会社なので、最初ははっきり言って、とてもワークライフバランスなんて言えるような状態じゃなかったりするんですよ(笑)会社というのは。最初はもう生きるか死ぬかみたいな感じでしたから。その時も全員がコミットメントを持って、本当にいいことではないにしても、男性も女性も終電まで働くということも随分最初はありました。何年かたって、少し生き延びることができるかなあと思えるようになったときからワークライフバランスを考えようじゃないかということになりました。理想形は最初からやるということなんですけれど、そうはなかなか行かなくて、2年か3年位経った時に考え始めました。
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