東京女子医科大学名誉教授
東京厚生年金病院名誉院長 木全心一さん
テーマ:狭心症と心筋梗塞
今日の講師は、心臓医学の権威であり、JKSK理事長木全ミツさんの夫である木全心一さん。
心一さんの人気か、ミツ理事長の人気か、或いは両方なのでしょう、JKSKサロン開設以来の新記録の
57名が参加。急遽椅子を取除いて立食に切り替えた。(喜寿以上の人は椅子あり)
今日のお話は、最初は「狭心症と心筋梗塞」について、後半は「日本の医療体制の危機・深刻な問題」であった。
「がん」に次いで日本人の死因のトップを占める狭心症など心臓の病気は、一寸した知識があれば助かる場合が多い」という言葉から話しが始まった。狭心症の症状は、痛みというより胸が締めつけられる感じに近く、胸の中央に感じるのが典型的だが、首、下顎や左肩に感じることもあり、持続が短かいこともあって狭心症になったとは思わない人が多い。
これが心筋梗塞となると、すごく痛く大変だとは思うが、ベットやソファーにうずくまっていることが多く、発作2時間以内に半分の例で心臓が止まる不整脈が出現し、その後5分以内に死亡している。胸に激痛を感じたら直ちに119番に電話し、意識が無くなって直ぐに、側にいる人が心臓のマッサージを始めれば助かることが多いので、是非マッサージ術を身につけておいて欲しい。
狭心症・心筋梗塞の発症を促進するものは、動物性脂肪、高血圧、肥満、タバコ。毎日歩くことも大切。コレステロールは220mg/dl以上は注意した方がよいが、良いコレストロール(HDL)が多く40mg/dl以上で、悪いコレストロール(LDL)が少なく140mg/dl以下であることも大切。血圧は、上が140mmHd以上、下が90mmHg以上が要注意。肥満(メタボリック症候群)のチェックポイントは、BMI(数式:体重kg ÷身長m2)が25以上、腹囲が90cm以上。日本人の食生活は、戦前と戦後で大きく変化してきている。戦前は塩分が多く、タンパク質が少ないために脳出血が多かったが、戦後は動物性脂肪の摂取量が増え、運動量が減ったので狭心症・心筋梗塞が増えた。
- 僻地問題 :
- 地方の大学に医学部を作っても、都会出身者が多く卒業後都会に戻ってしまう。臨床研修必修化により、研修医の多くが大学を離れ、医局に医師が少なくなり、僻地に派遣出来なくなった。
- 救急問題 :
- 救急体制が不備で、たらい回しにされ手遅れになってしまうケースがよく報じられている。
- 産科問題 :
- 出産は本来日常的なものだけに失敗すると訴訟が多いので、産科医になりたがらない。産科医・小児科医には女性の医師が多く、結婚・出産後に職場復帰出来るように積極的支援策が必要であるという。
「日本の医療体制」、これは全く心配であることを、皆認識した次第であった。
そうは言っても、皆が関心のある身近な健康問題でもあり、目の前に大先生が居られるので、質問はもっぱら個人的な相談があとを絶たなかった。