治部 れんげさん
テーマ:なぜ、米国女性は昇進も子供も諦めないのか
治部れんげさんは一橋大学卒業後、日経BPに入社。今日のテーマである「なぜ、米国女性は昇進も子供も諦めないのか」に興味を持ち、ミシガン大学に留学して、「米国男性の家事育児、それが妻に与える影響」を研究調査してきた。
まず、「育児支援制度」に興味を持ちいろいろ調べたが、どうもアメリカでの「制度」はあまり問題ではなく、個人のメンタルの問題であることが判った。アメリカでは連邦政府の支援制度は無いと言ってよいのに、大体の日本の女性のマネージャーは、「育児制度整備は政府の仕事」という認識の基に、更に「制度があっても、夫など男性が利用するのは不可能」と考えてしまうメンタリティーがある。これでは幾ら支援しても、実際問題としては上手く行かないのが日本の現実である。そういう見地から、どうしてなのだろうと考えて調査・インタヴューを行ってみた。その結果次のようなことが判ってきた:
- アメリカと日本の夫と妻の家事に従事する時間は、アメリカでは妻2(2時間46分)に対して夫1(1時間23分)の割合だが、日本では妻5(3時間50分)対夫1(46分)と圧倒的な差がある。今の日本の状態は、1960年代のアメリカと丁度と同じ感じだという。
- 結婚は、アメリカではお互いに全て「share」することという概念が徹底しており、逆に稼ぎも育児も女性が半分shareしろと考える男性も日本と比べ多いため、妻へのプレッシャーも大きいともいえる。妻の方が稼ぎが多い人も居り、その場合は「専業主夫」の人も多い。しかし、夫もずっとその積りはなく、いずれ働きだそうという自信があるようだ。
- 育児に対するサポートの概念は日米で違うのも面白い:
日本人 金銭で解決。育児所をもっと作れという要求になる。
アメリカ 柔軟な勤務時間を希望。必要な人は在宅勤務・パートタイムもいとわない。
- アメリカでは、子育てを交代でゆっくりやっているという感じである。日本では少子化が問題で、子供を生むか生まぬかという議論が多いが、アメリカでは二人生むか三人かが問題となっている。
- アメリカでは育児休暇制度が無いので、「上司との交渉」が重要であり、上司に「休暇を取れ」と言って欲しいのが現実な問題という。政府の支援よりも、個人間の契約を重視するアメリカ人
の価値観である。
- 休暇の取り方の統計を見ると、日本は30年前と変わってない。アメリカでは食事は簡単なもので済ますが、食べるものに対しての日本人の要求水準は高いので、家事の負担が若干違うのではと思う。
いろいろな質疑があった:
1)日本では、学校の先生から働いている母に対して、育児についていろいろな圧力がかかるという。
2)「なぜ、アメリカ女性は昇進も子供も諦めないのか?」に対する答えは:
日本は会社とか政府の制度に育児を依存する傾向があるが、アメリカ女性は二人で作った子供、であるし、個人の問題は自分達で解決しようという観念が強い。
3)職場は「男が変わらなければならなくなった」というのが世界的にも共通傾向ではあるが、各国ではそれぞれ次のような特徴がある;
アメリカ 個人奨学金制度が充実
フランス 政府が支える
ノールウエイ 税が高い(消費税)、役員女性40%
(ヨーロッパ) 社会全体として意識が出来ている
日本 男性、企業、政治の意識が変わることが先ず必要
本日の理事長のテーマは、ミシガン留学を終え帰国された講師治部れんげさんにあやかっての「アメリカンテイスト」(一口ハンバーグ、New England スタイルのクラムチャウダー、ホットドッグ、蟹ピラフ、野菜スティック、サラミソーセージ・ガーリック・パン・ド・レブをはじめとした31種)