日本は変わり始めたか
住友生命総合研究所 社長 前原金一
前原金一
(株)住友生命総合研究所社長。生命保険経営学会常務理事。奈良県教育懇談会委員。立命館大学法学部客員教授。経済同友会幹事。赤根塾道友会(禅の心)会員等。
東京大学経済学部卒。住友生命保険相互会社入社。取締役企画調査部長、金融法人部長、常務取締役。著書「21世紀の生命保険産業」等。 |
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史上稀なるバブルの形成と崩壊の過程で、日本の経済社会を根本的に改革しなければならない、という声が出始めて久しい。
しかしながら、国民各層とも永く続いた成長と繁栄、豊かさと安定の中で真の危機意識は持ち得なかった。このため表面的一時的取組みは各所で行われたものの、真に実のある改革はほとんど進捗しなかった。
しかし、昨年小泉内閣が誕生してから、少しずつ流れに変化が生じているのを看取することが出来る。また、実態が明らかになるにつれて、残された時間、余裕が意外に少ないことにも、やっと気が付いた。
そんな中で最近私が感動したことを一つ報告したい。奈良県の教育懇談会(教育改革を検討する委員会)に委員として参加し、昨年末に改革の方針をまとめた。今回この案をベースに県民5,000人にランダムサンプリングでアンケートを送って意見を求めたところ、次のような結果を得た。
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3,000人(60%)以上の県民から回答があった。(通常このようなアンケートの回収率は20~30%) |
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80%近くが改革の方向に賛成している。 |
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余白欄に自由意見を求めたところ、1,000人以上が意見を寄せて下さった。中には、用紙を追加してまで書いて下さった方が多くあった。 |
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ネット上でも公開したところ、約100人の回答があり、非常に有益な提案も含まれていた。 |
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質問の中で、子育て支援ボランティアへの参加意思をたずねたところ、約70%が機会があれば参加したい、協力したいと積極的姿勢を示した。 |
これらの結果は、単に奈良県のみの、あるいは教育問題のみへの反応と考えるべきではあるまい。官や大企業を中心とする日本の社会統治のあり方に対し、多くの国民が疑問を持ち、このまま既存の権力構造に日本の将来を委ねていては安心出来ないことに気付き始めたことを象徴しているのではなかろうか。
田中元外相に対する官僚やエスタブリッシュメント(男性)の評価と、一般の国民の評価がこれ程大きく乖離していることも同じ現象のように思われる。
このような人々の強い危機意識を、私達はしっかりと受けとめて、社会変革のエネルギーとしていかなくてはいけないと考えているが、皆様いかがでしょうか。
ワークシェアリングが日本の社会に定着したり、教育支援のNPOが各地域で立ち上ってくれば、現在結婚や子育てのために家庭に入って、そのままうずもれてしまっている女性人材が、再び社会に出て活躍出来る機会が急速に拡大してくるであろう。
生命保険会社の支社長として、家庭にこもっていた主婦を営業の世界で教育し、またその中の優秀な人材を管理職に抜擢・育成してきた経験から考えても、日本の主婦層が新しい時代を産み出していく極めて高いポテンシャルを持っていることは明らかである。
各方面、各地域での多様な女性リーダーの活躍こそが日本を救う力となっていくのではないか。 |