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母は常々、私にこう言った。「あなたは恵まれているのだから、大きな事をやらなければダメよね」と。大きな事というのは、お金儲けとか、自分のプライドを満足させるエゴイスティックな発想ではなくて、「自分が得たものを少しでも社会に返すこと。世の中のために何かやるべきことがあるはず」ということだ。この教えは、政治家として40数年つとめた祖父・松田竹千代から受け継がれたものである。
私の祖父は、全くのゼロから社会事業家という夢をはたした。そして母自身は、祖父が築いてくれた土台の上からスタートできたことを感謝し、祖父以上に社会還元をしなければ、という気持ちでいたらしい。三代目の私はといえば、母以上に恵まれた立場にいるのだから、祖父の2倍も3倍も社会に恩返しをしなければいけない、ということになる。恵まれていればいるほど、可能性は大きいはずだから。母はさらに、「社会に還元するということはどういうことなのか、それを探すのもあなたの使命ね」と付け加えた。母は、自分の考えを押し付ける人ではないのだ。
人それぞれ貢献の仕方は違って当然である。祖父は政界引退後、衆議院、参議院の議員から5万円の寄付を募り、ベトナムに「ビエンホア孤児職業訓練センター」を設立した。その後、一時閉鎖されていた同センターを母が引き継ぎ、100人の孤児の母親としてセンターを運営している。祖父から母へ受け継いだ精神は、「恵まれない境遇にいる人を助ける」ということがベーシックになっている。人を助けるということは、必ずしも貧しい人にお金を与えるということではない。培った知恵や能力、獲得した人脈を活用し、必要とする分野に貢献することが真の社会事業であると思う。それでは、私にできる社会貢献とは何か?
私が立ち上げた、日本初の女性サイト「womanjapan.com」は、日本女性の意識向上や、自信を持ち、輝きながら生きるための情報とネットワークを提供した。仕事や子育てに悩む女性にとっては、情報やネットワークが何より、役に立つのだ。企業も似ている。日本国内のビジネスにおいては弱者となる海外の企業を、日本で成功させるための、様々な提案。これは、私にしかできないライフワークと位置付けている。また、先日は、非営利団体の「子供地球基金」(※注)の運営者から寄付金が必要だという話を受けて、米国商工会議所を紹介することができた。
私の立場、人脈を駆使して、チャンスがあれば常に社会貢献をしたいと思っている。
(※注)子供地球基金(英語名:KIDS EARTH FUND)は、紛争や災害などで肉親を失うことにより、精神に傷を負った子供達に対して物心両面からの支援活動を展開する非営利の国際民間支援団体です。http://www.kidsearthfund.org/japanese/index.html
2004年4月
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