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「起業」や「ビジネスにおける女性」についてのオピニオンリーダーとして注目をあつめる佐藤玖美さん。女性企業家として成功した佐藤さんには"you are special"と育ててくれたお母様がいました。佐藤さんの生き方から、あなたがあなたらしく活躍するためのヒントを探しませんか?

佐藤玖美 株式会社コスモ・ピーアール代表取締役
1959年、東京生まれ。1981年、マサチューセッツ州・ウェイズレイ大学卒業。...[詳しいプロフィール]

第6回 この社会が個人の資質を見るのはいつ?

佐藤玖美

私は27才の時に社長になったが、最初の仕事は、銀行からお金を借りることだった。そこで少々気になったのは、アメリカで教育を受けたため、日本語でもビジネスの場の言葉に不慣れだったことと、「若い」と見られがちなことだった。

私は、某都市銀行に融資を頼みに行った。対応した銀行の支店長は話を聞こうともせず、「あなたのために自分のキャリアをダメにしたくない」と冷たかった。若い女性ということに加え、当時の私はお腹の大きい妊婦(!)ということもあり、話にならないと門前払いをくらったのである。後年、会社の業績が上向いた頃、その同じ支店長から取引をしたいとの申し出を受けた。私がどう対応したか? 私は信頼できない人とはお付き合いしないことにしているので、彼が以前私にしたことをそのまま返した。

他の人からどう思われようと、私自身は仕事をする上で「女」ということを意識したことはない。ところが最近、「この社会は、女性ということで私の本質を見てくれていないなあ」と思うようになってきたのである。バブル崩壊後に1回だけ赤字を出しただけの優良企業の社長を17年も続けてきた、自分では「凄腕の経営者!」だと自負しているのだが(笑)。それなのに日本の社会は、私が女性社長だということしか注目しないのだ。27才から17年間黒字決算をしてきた私に対して、ただ「女だから」という見方は失礼だと思うし、とても悔しい。「自分より年上の社員が多い会社の中でリーダーシップを発揮してきたかどうか、トップとしての資質があるかどうかが重要で、女か男かなんて関係ないはずである。

社長になって4、5年は、「女だから・・・」と言われても淋しくなかったが、17年たっても同じ見方しかされないことに、「こんなにやっても、まだ私を"女"という枠組みでしか判断しないの?」と哀しくなる。女性経営者に対する日本社会の見方が、あまりに貧弱なのがとても残念だ。
しかし、失望することばかりではない。うれしいことが最近、起こった。ある企業から社外取締役として迎えられたのである。経営者としての実力を認められる次のステップは、社外取締役のオファーがあることだと、私は思っていた。だから、素直に喜んだ。もちろん、話題性としての女性登用ではなく、経営者としての私を認めてくれる会社でなければ、けっして「YES!」とは言わなかっただろう。

2004年5月



バックナンバー
2004年4月 第5回 祖父からの遺産"シェイク・ザ・ワールド!"
2004年3月 第4回 自然体でいられる素晴らしさ
2004年2月 第3回 いつも大きな靴を履かせられた私
2004年1月 第2回 国際人としての基本は、子どものころから身につける
2003年12月 第1回 いいパートナー選びと経済的自立がマスト!


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