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私は27才の時に社長になったが、最初の仕事は、銀行からお金を借りることだった。そこで少々気になったのは、アメリカで教育を受けたため、日本語でもビジネスの場の言葉に不慣れだったことと、「若い」と見られがちなことだった。
私は、某都市銀行に融資を頼みに行った。対応した銀行の支店長は話を聞こうともせず、「あなたのために自分のキャリアをダメにしたくない」と冷たかった。若い女性ということに加え、当時の私はお腹の大きい妊婦(!)ということもあり、話にならないと門前払いをくらったのである。後年、会社の業績が上向いた頃、その同じ支店長から取引をしたいとの申し出を受けた。私がどう対応したか? 私は信頼できない人とはお付き合いしないことにしているので、彼が以前私にしたことをそのまま返した。
他の人からどう思われようと、私自身は仕事をする上で「女」ということを意識したことはない。ところが最近、「この社会は、女性ということで私の本質を見てくれていないなあ」と思うようになってきたのである。バブル崩壊後に1回だけ赤字を出しただけの優良企業の社長を17年も続けてきた、自分では「凄腕の経営者!」だと自負しているのだが(笑)。それなのに日本の社会は、私が女性社長だということしか注目しないのだ。27才から17年間黒字決算をしてきた私に対して、ただ「女だから」という見方は失礼だと思うし、とても悔しい。「自分より年上の社員が多い会社の中でリーダーシップを発揮してきたかどうか、トップとしての資質があるかどうかが重要で、女か男かなんて関係ないはずである。
社長になって4、5年は、「女だから・・・」と言われても淋しくなかったが、17年たっても同じ見方しかされないことに、「こんなにやっても、まだ私を"女"という枠組みでしか判断しないの?」と哀しくなる。女性経営者に対する日本社会の見方が、あまりに貧弱なのがとても残念だ。
しかし、失望することばかりではない。うれしいことが最近、起こった。ある企業から社外取締役として迎えられたのである。経営者としての実力を認められる次のステップは、社外取締役のオファーがあることだと、私は思っていた。だから、素直に喜んだ。もちろん、話題性としての女性登用ではなく、経営者としての私を認めてくれる会社でなければ、けっして「YES!」とは言わなかっただろう。
2004年5月
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