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環境問題、飢餓・貧困、戦争など世界中には解決が困難な社会問題が山積しています。でも、一人の市民あるいはNPO・NGOの行動が、良い方向へ変革する(make a differense)ことができることも事実です。持続可能(sastainable)な社会をめざして、国内外で行動する人・活動をお伝えいたします。

大和田順子
東京生まれ、東京育ち。消費生活アドバイザー。環境カウンセラー。 ...[詳しいプロフィール]

サステナブルな社会を創るのは私たち一人ひとり

大和田順子

サステナビリティがようやく注目されて

アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演された映画『不都合な真実』をごらんになっただろうか。 今年は日本も季節が一ヶ月ほど早くなっているように感ずる方も少なくないのではないだろうか。 地球温暖化が進んでいることを実感する最近だが、温暖化をくい止め、持続可能な社会を将来世代の残せるかどうかが、私たちに問われている。 東京大学の山本良一教授は『気候変動+2℃』(ダイヤモンド社)という本の中で、「温暖化と気候変動が地球全体に関わる以上、この問題に無関係な人はひとりもいないのです。」と述べている 温暖化をもたらしたのは私たちの生活や社会だったが、それをサステナブルな方向に変える選択も、また私たちにできることなのだ。 LOHASシリーズ二回目の今回は、生活者の視点から、LOHASなライフスタイルについてお伝えしたい。

ココロとカラダ、地球にやさしい暮らし方

LOHAS(ロハス)は、1990年代の後半にアメリカ、コロラド州ボールダーというところで生まれた考え方。 LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)の頭文字で、直訳すると「健康と地球環境に配慮したライフスタイル」になる。 別な言い方をすると、“ココロとカラダ、社会や地球の健康を大切にするライフスタイル”ということができるだろう。 それぞれの日々の暮らしの中で、できるところから無理なく楽しく取り組んでいく、それがロハスだ。
LOHASのSはサステナビリティ。あまりなじみのない言葉かもしれないが、持続可能性と訳されている、とても重要な概念だ。 私は、サステナビリティは“思いやり”だと折々説明している。 子どもや孫の世代、50年後、100年後の人たちに、美しい自然やおいしい空気、きれいな水を受け渡していく、将来世代への思いやり。 貧困状態にある途上国の人たちに対する思いやり。そして、動植物に対する思いやりだ。

日本の生活文化を暮らしに活かしたい

今、日本でも約3割の人がロハス的なライフスタイルを送っているという調査結果がある。 食の安全・安心、マクロビオティックやヨガなどから始める人も少なくない。 ヨガもマクロビオティックも、日本や東洋で生まれ、アメリカに入って広まり、ニューヨークやハリウッドの香りとともに再度日本に入ってきた。 LOHASを始めたアメリカ、コロラド州、ボールダーに住んでいる人たちは、日本や東洋の思想に大きな影響を受けているのだ。
ロハスは、私たち日本人に、日本古来の季節を大切にする暮らし、農業とともにある一年、生活の知恵から学び、それを現代社会の中で実践することを再び気づかせてくれた。 例えば、食の分野で昔から言われているキーワードの一つに“真土不二(しんどふじ)”という言葉がある。 「人間は、自分が生活する環境の範囲内で食べ物を調達すべき」という養生法の大原則だが、野菜や食物はその土地で収穫された旬のものを食べるのが最も食養の面から優れているという意味で、明治の栄養学者、石塚左玄はこれを「真土不二」と説いている。 「地産地消(ちさんちしょう)」も、地域でとれたものを食べようというような意味合いがあるが、共に地域や季節に合わせた生活を推奨していわけだ。

衣食住からヘルスケア、株式投資まで

生活の中で、できるところから始め、楽しく、継続して実践していくことがポイントだ。 例えば心身の健康のためにヨガをしたり、庭やベランダで無農薬の野菜やハーブを作ったり、ボランティア活動に参加したり、環境に良い商品を積極的に選んで買うということもロハスの第一歩 。オーガニックな野菜、添加物を使わない調味料など、安全な食品を取り入れている人は増えている。が、日本の食糧自給率をご存知だろうか? 先進国の中では最も低く、40%前後だ。また、日本には沢山の森があるにもかかわらず、木材自給率は20%。こうしたことにも関心を持ち、国産の食材、とりわけ農業を支えていくという視点が重要だと思う。 家を建てるときに、家具を買うときに、国産材を使う会社を選ぶ消費者も顕在化している。
まだまだある。オーガニックコットンの衣料や生活用品を使う。CO2をなるべく排出しない省エネタイプの家電製品や車を選ぶ。 不要なものはリサイクルする。玄米菜食を中心とした食生活や適度な運動で病気の予防に努め、アロマや漢方など民間療法も活用する。 株式投資にはエコファンドを選ぶなど。

一人ひとりの買い物が世の中を変える

私たちは毎日買い物をしている。消費者が神様だとか、消費偏重の社会を見直す時期が来ていると思うが、まずはCMや価格に踊らされることなく、不要な買い物は自重し、自らの判断基準を持って行動したいものだ。なぜなら毎日の買い物行動や、住まいの選び方、仕事の仕方、ボランティア活動などは、社会をサステナブルな方向に変えていくことにつながるからだ。 理念を持ち、基準を持ち、しっかりとした安全・安心・環境に配慮した製品を選ぶことで、意識の高い企業や生産者を支えることができる。 今年はあなたにも是非LOHASなライフスタイルを実践していただきたい。

2007年3月


バックナンバー
2006年5月 オーセンティック(本格)LOHASは日本に定着するのか?―ブームからトレンド(潮流)へ。第2章の幕開け―
2005年12月 2006年LOHASビジネスが開花する
2005年9月 ブログであなたもmake a difference
2005年8月 3年経って。日本でもLOHASブーム到来
2005年3月 花粉症とドングリ
2002年8月 暑い夏に考える、地球温暖化のこと
2002年7月 アメリカをサスティナブルな国にしようとしているアントレプレナー達


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